\( \DeclareMathOperator{\abs}{abs} \newcommand{\ensuremath}[1]{\mbox{$#1$}} \)

数と式(Number and Expression)

1 式の計算

1-1.次を展開せよ。 \[(a+b)^3\] 1-2.次を因数分解せよ。 \[a^2(b-c)+b^2(c-a)+c^2(a-b)\]



CASの命令は,ツールバーで押してもいいが,
ここで見えるために,すべて書く方法で通す。
間違えやすいところ,a*b と ab(一つの変数名)は違う。
Geogebraは2aとか好意的に扱ってくれる。2*a または 2[スペース]a が掛け算。
累乗の書き方も色々あって,a^b,a**b,a Alt押しながら数字キー。
Macでは,a^bでは暴走するときがあったようだ。

2 実数

2-1.次の分数を循環小数で表わせ。循環小数は分数で表わせ。
\[\frac{22}{7},0.\dot{6}8\dot{4}\]
2-2.次の式の値を求めよ。 \[\sqrt{a^2} \]
2-3.分母の有理化をせよ。 \[ \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{5}+\sqrt{2}} \]
2-4.次の二重根号をはずせ。 \[\sqrt{3+\sqrt{5}} \]
2-5.次の式の値を求めよ。 \[x=\frac{2}{\sqrt{5}+1},y=\frac{2}{\sqrt{5}-1}のとき,x^3+y^3 \]




最後の循環小数を分数表示するのは,
無限級数の和の公式(数III)を使っている。



eliminate(消去)を使えば,対称式を基本対称式で表すこともできる。

3 1次不等式

3-1.次の連立不等式を解け。
\[ \begin{cases}  7x-1\ge 4x-7 \\  x+4>3(1+x)\end{cases}\] 3-2.次の不等式,方程式を解け。
\[(1)|2x-1|<3   (2)|x-4|\le 3x   (3) |x|+|x-1|=3x \]



絶対値を扱うのはグラフが肝,Geogebra本領発揮。
ちなみに,text1は FractionText(x(A))Aのx座標の分数表示。


Diagram
4 集合と命題

4-1.次の集合を求めよ。
\[(1)A:12の正の約数全体の集合 (2)B:70の正の約数の集合 (3)A\cap B (4)A\cup B\] 4-2.次の命題の真偽を調べよ。
\[ -8<x< -5  \Rightarrow x<1\]
4-3. 次の条件の否定を求めよ。
\[ a\ge 1 かつ b\le 4\]



[=]は計算して名前つける。
[:]は後で使ったりするために代入する。
[:=]と同じ(関数はしっかりと,[:=])

他に約数の個数(Divisers),総和(DivisersSum)の命令があります。

マニュアルの該当部分
Diagram

Maxima でやれば,
(%i1) expand((a+b)^3);
\[(\%o1){{b}^{3}}+3a\,{{b}^{2}}+3{{a}^{2}}b+{{a}^{3}}\]
(%i2) factor(a^2*(b-c)+b^2*(c-a)+c^2*(a-b));
\[(\%o2)-\left( b-a\right) \,\left( c-a\right) \,\left( c-b\right) \]

掛けるの*を落とさないようにする。
文字の順番が気になるようなら,

(%i3) ordergreat(a,b,c)$
(%i4) (a+b)^3,expand;
\[(\%o4){{a}^{3}}+3b\,{{a}^{2}}+3{{b}^{2}}a+{{b}^{3}}\]
(%i5) a^2*(b-c)+b^2*(c-a)+c^2*(a-b),factor;
\[(\%o5)\left( b-c\right) \,\left( a-c\right) \,\left( a-b\right) \]

文字の順番は本質的ではないので,これからは無視して

(%i6) kill(all)$

Maximaは長く使っていると,変数に値が残っていたりすることがあるので,
なにか変だと思ったら,この命令をするといい。
ちなみに命令の後に $ をつけると,done みたいな返事を返さない。

(%i1) 22/7,numer;
\[(\%o1)3.142857142857143\]
(%i2) 22/7,float;
\[(\%o2)3.142857142857143\]
(%i3) fpprec:32$
(%i4) 22/7,bfloat;
\[(\%o4)3.1428571428571428571428571428572b0\]

numer:数値化,float:浮動小数点表示
fpprec は floating point precision(精度),bfloat:bigfloat
循環小数から分数にするのは,関数を作ってみよう。
ratt(初めて0でない数が来る小数位,循環節)

(%i5) ratt(a,b):=block(
c:floor(log(b)/log(10))+1,
b/(10^c-1)*10^(1-a)
)$
(%i6) 3+ratt(1,142857);
\[(\%o6)\frac{22}{7}\]
(%i7) sqrt(a^2);
\[(\%o7)\left| a\right| \]

分母の有理化とか二重根号マクロ(sqdnst)が意外と苦しむ。

(%i8) r1:rat((sqrt(2))/(sqrt(5)+sqrt(2))),algebraic;
\[\tag{r1}\label{r1}\frac{\sqrt{2}\,\sqrt{5}-2}{3}\]
(%i9) rootscontract(r1);
\[(\%o9)\frac{\sqrt{10}-2}{3}\]
(%i10) load(sqdnst)$
(%i11) r2:sqrtdenest(sqrt(3+sqrt(5)));
\[\tag{r2}\label{r2}\frac{\sqrt{5}}{\sqrt{2}}+\frac{1}{\sqrt{2}}\]
(%i12) rootscontract(rat(r2)),algebraic;
\[(\%o12)\frac{\sqrt{10}+\sqrt{2}}{2}\]
(%i13) root(a):=rootscontract(rat(a))$
(%i14) ssqrt(r):=block(
load(sqdnst),
root(sqrtdenest(sqrt(r)))
)$
(%i15) ssqrt(3+sqrt(5)),algebraic;
\[(\%o15)\frac{\sqrt{10}+\sqrt{2}}{2}\]
(%i16) sqrt(8);
\[(\%o16){{2}^{\frac{3}{2}}}\]

これも何とかしたいと頑張って関数を作ってみた。

(%i17) sqrtt(a):=block(
jj:1,
ss:1,
l:ifactors(a),
m:length(l),
for i:1 thru m do
(
b:l[i][1],
j:floor(l[i][2]/2),
r:mod(l[i][2],2),
jj:jj*j*b,
ss:ss*sqrt(b^r)
),
print(jj,rootscontract(ss))
)$
(%i18) sqrtt(8)$
\[2 \sqrt{2} \]

対称式であろうとなかろうと代入計算は計算機だから得意。

(%i19) x^3+y^3,[x=2/(sqrt(5)+1),y=2/(sqrt(5)-1)];
\[(\%o19)\frac{8}{{{\left( \sqrt{5}+1\right) }^{3}}}+\frac{8}{{{\left( \sqrt{5}-1\right) }^{3}}}\]
(%i20) ratsimp(%);
\[(\%o20)2\sqrt{5}\]
(%i21) kill(all)$

でも,対称式を意識して基本対称式(x+y,xy)から,
あらゆる式を計算する関数を作った。

(%i1) [x+y,x*y],[x=2/(sqrt(5)+1),y=2/(sqrt(5)-1)];
\[(\%o1)[\frac{2}{\sqrt{5}+1}+\frac{2}{\sqrt{5}-1},\frac{4}{\left( \sqrt{5}-1\right) \,\left( \sqrt{5}+1\right) }]\]
(%i2) ratsimp(%);
\[(\%o2)[\sqrt{5},1]\]
(%i3) sym(s,t,eq):=block(
rhs(solve(eliminate([x+y-s,x*y-t,c=eq],[x,y]),c)[1])
)$
(%i4) sym(sqrt(5),1,x^3+y^3);
\[(\%o4)2\sqrt{5}\]

基本対称式で表された式がほしいとなれば

(%i5) sym(s,t,x^3+y^3);
\[(\%o5){{s}^{3}}-3st\]

こんなこともできます。

(%i7) assume(a<b,b<c);is(a<c);
\[(\%o6)[b>a,c>b]\] \[(\%o7)\mbox{true}\]

1次不等式はフーリエ関数で遊んでいたときに見つけたこれがすごい。

(%i8) load(fourier_elim)$
(%i9) fourier_elim([7*x-1>=4*x-7,x+4>3*(1+x)],[x]);
\[(\%o9)[x=-2]\mathit{ or }[-2<x,x<\frac{1}{2}]\]
(%i10) fourier_elim([abs(2*x-1)<3],[x]);
\[(\%o10)[-1<x,x<2]\]
(%i11) fourier_elim([abs(x-4)<=3*x],[x]);
\[(\%o11)[x=1]\mathit{ or }[1<x]\]
(%i12) fourier_elim([abs(x)+abs(x-1)=3*x],[x]);
\[(\%o12)[x=\frac{1}{3}]\]
(%i16) A:divisors(12);B:divisors(70);intersection(A,B);union(A,B);
\[\tag{A}\label{A}{1,2,3,4,6,12}\] \[\tag{B}\label{B}{1,2,5,7,10,14,35,70}\] \[(\%o15){1,2}\] \[(\%o16){1,2,3,4,5,6,7,10,12,14,35,70}\]

こんなこともできます。最後につくpってのは predicates かなあ。
setdiffernce で補集合もできる。

(%i21) elementp(5,A);emptyp(A);subsetp(A,B);disjointp(A,B);subset(A,evenp);
\[(\%o17)\mbox{false}\] \[(\%o18)\mbox{false}\] \[(\%o19)\mbox{false}\] \[(\%o20)\mbox{false}\] \[(\%o21){2,4,6,12}\]
(%i22) setdifference(B,A);
\[(\%o22){5,7,10,14,35,70}\]
(%i24) assume(-8<x,x<-5);is(x<1);
\[(\%o23)[x>-8,x<-5]\] \[(\%o24)\mbox{true}\]
(%i25) not(a>=1 and b<=4);
\[(\%o25)a<1\mathit{ or }b>4\]

1 式の計算

多項式,整式 polynomial,integral expression
polyはmany,ポリネシアはギリシャ語の「たくさんの島」の意
 integralはin(否定)tegral(触る)untouchable で完全の意味という
 整域(掛けて0になる数が0しかない集合をそういう)だから完全なということかな
 積分も同じ言葉なのが面白い。積分して完全なものにする感じかな
単項式 monomial
monoはone,polyの反意語
次数 degree gradeと同源
係数 coefficient
項 term限界 terminate終わらせる
同類項 like terms
定数項 constant term

降ベキの順 descending powers
昇ベキの順 ascending powers

加法 addition 和 sum
減法 subtraction 差 difference
乗法 multiplication 積 product
除法 division 商 quotient

指数法則 exponential law
累乗 power
指数 exponent,index

展開 expand
置き換え substitute
因数 factor
因数分解 factorization
たすき掛け tasukigake
 大体が和服の言葉だ。英語でこのシステムをなんと言うのかな?
cross acount methodというのがネットの解答

2 実数

実数(real number)real:ラテン語「ものの」の意から
自然数 natural number nature:ラテン語「生まれ, 生まれ持ったもの」の意から
整数 integer,integral number
正 positiveラテン語「(協定で)決まった」の意から,plusラテン語「より多い」の意から
負 negative,minusラテン語「より少ない」の意から
零 zeroアラビア語「からっぽの」の意から
 日本語はレイ,ゼロは英語,ゼロ戦なんて言わないはずでレイ戦といったのだろう
と思いきや,Wikiによるとゼロ戦の方が普通に言ってたらしい。
有理数 rational number
分母 denominator
 denominate は名前をつけるとか称するだから,単位とかからかな
分子 numerator
 numerate は数えるとか計算するだから,分母を単位に数えるというわけだ
既約分数 irreducible fraction
 reduce は「元に戻す」から縮める,約分する,解くまで
 昔(DOS時代),REDUCE といういい数学ソフトがあった
有限小数 terminating decimal
 decimal はもともと十進法のことらしい
無限小数 infinite decimal
循環小数 recurring decimal
無理数 irrational number

交換法則 commutative law
結合法則 associative law
分配法則 distributive law

数直線 number line
原点 origin
座標 coordinate コーディネートは日本語になっている
絶対値 absolute value
平方根 square root square は正方形ね
有理化 rationalization
二重根号 double radical
 radical は根号,根本を大切にすると過激になるのか,radish はあの赤い大根の根
複二次式 compound quadratic ? quad が四を意味して,四角形そして2次へ

3 1次不等式

方程式(equation)と不等式(inequality)
 Ecuadorエクアドル(北緯と南緯が等しい赤道直下が語源だって)
1次不等式(simple inequality)
左辺 left-hand member 右辺 right-hand 両辺 both-side
 left古期英語「弱い, 価値のない」の意から,rightは正しいだから右側の方が優れている感覚がある。
 フランス革命以後議員の右側にすわったのが右翼というが
解 solution 解く solve
 解き放つabsoluteも完全に解き放つ意味
移項 transposition
連立不等式 simultaneous inequality
 similarと同語源
方程式は楽だけど不等式は難しい

4 集合と命題

集合:set
要素:element ラテン語「第一原理」の意から
属する:belong x|:such that
(真)部分集合:(proper)subset 含む:include
共通部分:intersection,cap
和集合:union,cup onion は根が大きく一つだからだと。
 昔,キャップかカップかと聞いたら,コップと答えた奴がいた。
空集合:empty set 古期英語「暇な」の意から
全体集合:universal
補集合:complement
ド・モルガンの法則:de Morgan's law
有限集合:finite ファイナルとかフィナーレは終わりあるときに使う。
無限集合:infinite

命題:proposition 結婚の申し込みじゃないぞと
真:true trueloveってツクバネソウなんだ
偽:false ラテン語の「騙す」から
条件:condition エアコンてのは AirConditioner だ
仮定:assumption
結論:conclusion close と同源
反例:counter example ジョーの力石へのカウンターパンチ
十分条件:sufficient satisfy と同源
必要条件:necessary 譲ることのできない(ne),否定で必要を表す
必要十分条件:necessary and sufficient
同値:equivalent 語源は分かるでしょう?equal+value(古期フランス語から)
否定:negation
ド・モルガンの法則:de Morgan's law
逆:converse conversation(会話)は異義語
裏:reverse,converse of contraposition(対偶の逆)
対偶:contraposition
背理法:reduction to absurdity absurdってのはまったく耳が聞こえないことだと,surd 無理数の
部屋割り論法:Pigeonhole Principle,Dirichlet Schubfachprinzip(ディリクレの引き出し原理)

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